東京モラルハザード

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MORALITY IS DEAD

NakamuraEmi【ヒップホップとキレイ目ソングの独自進化】

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先日、BAYCAMP2016に参加してきた。
1番の目当ては、NakamuraEmiだった。


豪雨の中ちっちゃなステージで彼女は歌った。
観客は50名いただろうか。
2演目前までのTofubeatsは、有に200人は超えた。いや、もっといたと思う。

注目の少なさ。これがFM曲でパワープレイを取った楽曲を歌う歌手を待つ現実なのか?「シャングリラ」でパワープレイを取ったチャットモンチーは、あっという間にスターダムに登ったというのに。

しかも、音響が完全にDJセット向きになっており、打ち込みのドラムを使うと無駄にバスがドコドコとダンスミュージックのように響く。その日のナカムラは、ギターと2人だけのステージ。パーカッションのどすどすが演奏が全然合ってない。ナカムラ本人も歌いながら苦笑いを浮かべているように見えた。
観客もその日イチの豪雨に消耗しきっていて、盛り上がりがない。

正直、魂で歌うように吐き出す「使命」のリリックが聴きたかった。だけど、どうもにもパーカッションが邪魔で微妙だった。
これはものすごく残念で、こちらが期待しすぎたのもあったのかもしれない。

だけど、打ち込みを必要としなかった「スケボーマン」は、震えるほどよかった。ギターと歌というか、力強いリリック。
吐き出される苦悩と葛藤の感情は、まさに僕らが待ち望んでいた生のナカムラエミだった。


自分の勝ち方を見つけたNakamuraEmi

もういろんなところで、特集されまくってる。
33歳で日本コロンビアからメジャーデビュー。
「心を蹴り上げる」「唯一無二のスタイル」そう言われるのも、聴けば瞭然。
www.youtube.com
「映画?半身浴?そんな時間にお前にあるか?」
ここが凄い好きなんですよね。初見のときは、全身に鳥肌が立ったし、何度聞き返してもゾクッとする心地よさがある。

ヒップホップから影響を受けたと思われるポエトリー・リーディング的な手法。しかし、生っぽいギターを中心に据えたメロディーラインがぬるっと心に染みこんでくる。これはブルースなのか?なんだろうか。親しみがある音作りな気がする。いかにも日本の”シンガソングライター”が使いそうな音というか。

しかし、なによりナカムラ自身の声が特徴的だ。
完全にクラムボンや、ハンバートハンバートなど、ボーカルで魅せる系にいるタイプの声質。普通に歌ったほうがいいんじゃなね?って思う人もいるだろうけど、いまの時代こういう特徴的なボーカルなんて、五万と発掘されて、どの音楽カテゴリでも活躍している。いまの時代、ボーカルの声がおもしろいからって、勝てない。

この声とこのギター音だけで言ったら、間違えなくキレイどころのジャパニーズ・シンガソングライター止まりだったと思う。

彼女が「中村絵美」から「NakamuraEmi」に改名して、本当に自分の価値を見つけたのは、間違いなくヒップホップとの出会いだ。

28歳くらいにレゲェとヒップホップに出会ったらしい。詳しくは、このインタビューが詳しい。
www.cinra.net
やっぱシンラのインタビューは、いいよね。

BAYCAMPの本番前のサウンド・チェックでは「今夜はブギーバック」を歌った。正直、あれがすげー痺れた。あれで期待上がっちゃったのもあるかも。
ドラムだけでも生音だったらなあ。
スチャダラパー、めちゃくちゃ好きらしい。


MCがまじか弱い、歌とのギャップが良い

先に上げたインタビューで”コンプレックスが多くて気の弱い私"って言ってるけど、押し出されているビジュアルイメージや、歌とは裏腹にMCのときのNakamuraEmiは、とにかく弱そうである。
もうおどおどしてるし、弱腰だし、観客のこと心配しすぎだし、職場のお局とかに絶対イジメられるタイプだろうなって感じが伝わってきた。
こんな人が歌となると、これほどまでに人の心を揺さぶるギャップが、余計に「使命」の歌詞のシチュエーションがリアルに想起させる。

まだライブ版とAmazonに上がってるアルバムしか聴いてないだけど、とにかくライブに行きたいから、おれはライブに行くんだぁああああ!

毎週月曜の朝になると、使命のイントロが頭に流れてきて自分を鼓舞するよぉおおおお!

まじでバンドセットのNakamurEmiが見てぇ。


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utsunomiya.hatenadiary.jp

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